SSブログ

奴隷制 [本]

「いまがわかる  世界史の教科書」洋泉社刊

以下P181より抜粋

【 温暖な南部の地域では独立以前から、大地主たちによる大農場が普及し、とくに黒人奴隷を大量に酷使する綿花栽培で経済的に発展しました。対して北部では、資本家主導で産業革命がはじまり、工業中心の経済となっていきました。 

南部では綿花をイギリスに売り、イギリスから優秀な工業製品を買うという相互依存のスタイルをとっていました。これを北部では不快に思っていました。北部の製品が売れないからです。北部の資本家は、イギリス製品排除と市場確保を目的とした保護主義を主張するなどして、南部市場を独占しようとしました。これに対して南部は、市場独占ありきの北部に嫌悪感をにじませます。

それでも南部勢力の大統領が続いたため、南部は優位でした。事態はリンカーン大統領によって変わります。リンカーンは奴隷制度廃止を訴えて支持を集め、北部勢力の大統領として当選します。

ところで、資本家にかぎっていえば、奴隷制度反対は決して人道上の見地からではありません。彼らは「奴隷より労働者を雇うほうが、コストがかからない」という現実的な理由で反対したのです。】 

 

 奴隷制廃止へと向かわせた理由は、実はコストだったが

 理念として善であり、あなた方が目指す方向性は正しいというお墨付きが

 ピューリタン 精神だったと

 

 奴隷解放のカギがコストだったとは、私は知りませんでした。

 考えてみれば、すべて人の活動を支える主体は経済です。

 それを正当化するための論理や主義を作ってきたのが人の営みです。

  新自由主義がその代表でしょう。

  食うために主張してきたのが人間ですが

 もっとも~~っと楽をするために主張し始めると世界は今のようになるのですね。

 

 

 民主主義が大切だと思う人は、その経済的な理由、絶対的に善であり理に適う経済的理由を

 しっかり構築して説明できないと、駆逐されかねないです。 

 


nice!(6)  コメント(7) 

nice! 6

コメント 7

ファルコ84

人は、楽・欲・豊・・・
を追求して発展してきましたが、
”ほどほど”という言葉を
忘れてはいけない様な気がします。
>「奴隷より労働者を雇うほうが、コストがかからない」
とは、少し理解が出来ていません。
by ファルコ84 (2016-03-04 11:25) 

gonntan

ファルコ84さん 奴隷制で生活を丸抱えする、警備の人も雇わなくてはならないしで、そうするより労働者のほうが安上がりになるということでしょうね。資本主義はなるべくコストをかけない方向へ向かうと言われています。従業員教育も自社でしてたのをやめて契約社員へと変えてますし、福利厚生もできるだけ減らして、ひたすらお金を溜める。最終的に蓄積することが資本家の目的になる、らしいですよ。何のためにかは、私にはまったくわかりません。
by gonntan (2016-03-04 11:45) 

majyo

リンカーンの話ですが、本当にびっくりしました
そうですか!コストだったのですか
そこに、人間の尊厳なんていう考えはなかったのか?
コストと言えば原発なんてチョー高いコストですよ
辞めなさい!と言いたい
by majyo (2016-03-04 18:30) 

momotaro

いい勉強してますね〜
おこぼれにあずかって、南北戦争の認識を新たにしてます!
by momotaro (2016-03-04 20:32) 

gonntan

majyoさん プロテスタントとして、神の前の平等意識はあったのでしょうが、それを支えるしっかりした経済論理があった。そして国民を納得させるパンを与えたということでしょう。

momotaroさん いつかこの本も図書館で ^^ 私が学んだのは、食うことに勝る理屈は無い、それがみんなに見える形で語れねば、思想は理想で終わる、ということですね。民主主義を進めねばみんなが食えなくなるという確とした経済的な理由、そこを考えねば・・・といっても、そこら辺の私が言うてもなんですが。
by gonntan (2016-03-04 21:01) 

さきしなのてるりん

奴隷解放のカギがコストだったとは、おらも初めて聞いた。ま、資本家の考えることったらそういうこったいね。
by さきしなのてるりん (2016-03-06 13:28) 

gonntan

さきしなのてるりんさん 高校で地理を教えている次男に聞いたら、正確に教えてくれました。最低限、高校レベルの世界史と日本史をその時代の経済と関連付けて学ぶことが、今の世界を知ることに繋がるようです。教育は大切ですね。私は日本史でした。
by gonntan (2016-03-06 21:02) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

病院食も梅かな? ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。