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それぞれの境目 [人]

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【 集団的自衛権を考える 不安を覚え祖国を思う

神奈川新聞より 2014.5.16

 集団的自衛権の行使容認へ強い意欲を示した安倍晋三首相。会見では「国民の命を守る責任が私にはある」と繰り返した。高揚感さえ漂わせたその言葉に不安を覚える人たちが県内にいる。在日朝鮮人と中国人。それぞれの祖国は集団的自衛権をめぐる論議の中でクローズアップされている。

■プロパガンダの実例 朝鮮学校教員(55)

 集団的自衛権の行使が認められるのか。在日朝鮮人には切実な問題です。日本が米国と一緒に戦争をすることが可能になるからです。

 1950年に始まった朝鮮戦争は終わってはいません。今は休戦状態にすぎない。同盟国である米国の求めに応じ、日本が加わって朝鮮半島が再び戦争にならないとも限らない。限定的というけれど、可能性がゼロから有になる。それは大きな違いです。

父は植民地支配下にあった朝鮮半島から渡り、軍需工場で働きましたが、戦争に巻き込まれる歴史は繰り返されるのか。日本には平和憲法がある。だからその通りに行動してほしいというのが率直な願いです。戦争はしない。国同士の対立があっても、武力に頼らず、争いを回避するために手を尽くす。憲法にはそう書いてあるはずです。

「防衛本能」

 私は朝鮮学校で教員をしていますが、子どもたちには憲法は素晴らしいものだと教えてきました。植民地支配と侵略戦争を反省し、だから大事にしてきたんだ、と。

 その憲法を解釈改憲で否定することは、戦争の過去や反省から出発した戦後を否定し、私たちの歴史を否定することでもあります。

朝鮮学校の子どもたちは日本の政治にとても関心があります。それは防衛本能です。日本人以上に日本のことを知り、この先に何が起こるのか身構えておかないといけない。悲しい習性ですが、日本の政治の影響を大きく受ける立場ですから。市長が替わった途端、補助金が廃止になるということが現実にあるわけです。

地域で付き合う人々は個々には大変いい人たちです。それとは別に肌で感じる社会全体の空気がある。それががらりと変わった瞬間をはっきり覚えています。002年9月17日、日朝首脳会談で北朝鮮による拉致事件が明らかになった日です。子どもや学校へのいやがらせが相次ぎ、以来、北朝鮮で何か事が起きると警察からすぐに電話が入る。警備をしなくていいですか、と。そうした日が10年以上続いた先に今日という日があるのです。

異論を排除 

 テレビでは相変わらず北朝鮮のことをおどろおどろしく、また、見下したように面白おかしく取り上げています。しかし、異議を唱えると反日だ、とののしられる。事実、こうして本名を名乗って取材に答えることもできない。学校に何かあってはいけないと心配だからです。

プロパガンダとはこういうことなのだ、という実例を見る思いです。国を守る。領土を守る。国民の命を守る。否定することの難しい言葉とセットで集団的自衛権が語られる。できなかった戦争ができるようになるというのに安倍首相の物言いは、まるでいいことのよう。反対する人はおかしい、といわんばかりです。

 そのための仮想敵国が北朝鮮で、排除されるべき存在として目の前に存在しているのが、在日なのでしょう。集団的自衛権の行使が可能になり、やがて「仮想」の2文字が取れたとき、明確な敵意はわれわれにも向けられるようになるのでしょうか。】

 

 がらりと変わる・・・

 まるで商品を選ぶときのようですね。私はMさんから「あなたは金額が小さいときはケチなのに、金額が大きくなると分からなくなるね」と言われてます ><   ある境界を越えてしまうと通常の判断が利かなくなる・・・商品購入ならば、バカみたいで済むのですが・・・ この新聞の方が、「地域で付き合う人々は個別にはたいへんいい人たちです。・・・それががらりと変わった瞬間をはっきりと覚えています」と言うように、私たちの気持ちもある境界を越えると変わってしまうようです。気分と言ってもいいかもしれません。自分でもよく分からないけれど、そこに漂う空気に侵される。どこの国の人も同じようになるのでしょうが、特に日本人はきまじめなだけに0か1か、国民か非国民かを問いたがり、「異種の存在自体を許さない厳格さが潔い」となるでしょう。集団的自衛権云々の国内問題は早晩必ずそこに行き着くだろうと想像できます。

 

 

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 みんな違ってみんなイイ  

 違うことが普通に認められている社会を目指そうではありませんか。

 それが、お釈迦様の願いでもあります。

 

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コメント 2

さきしなのてるりん

お釈迦様の教えは絶対平和主義ですね。知らぬ間に戦争へなんていうことはほんとはありません。いまがその時のひとつだといつも思います。それを感じる人がgontanさんのように伝えなければいけないのだと思います。
by さきしなのてるりん (2014-05-31 23:33) 

gonntan

さきしなのてるりんさん 「知らぬ間に戦争が始まっていた」というのは本来あり得ないことで、やはり自分たちもそのように望んだ結果だろうと思います。これからはそうならないように、頑張らねば。
by gonntan (2014-06-04 21:33) 

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