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昔はもっと良かったはずだ [人]

 毎日新聞の特集ワイド版から


 「それホンモノ?『良き伝統』の正体」 というのがあります。


【 日本人は「伝統」という言葉にヨワいらしい。例えば選択的夫婦別姓制度の是非を巡る議論。安倍首相ら反対派は「同姓が日本の伝統だ」と主張し、いくら専門家が「同姓は明治中期以降の新しい制度」と指摘しても聞く耳を持たない。このように最近は、新しく、ウソに近い「伝統」がやたらと強調されている気がするのだが・・・ 】 


 一例として


 銀座はゴミの山だった


 【 中国の旧正月・春節が近い。流行語にもなった中国人観光客の「爆買い」だが、彼らのマナーはどうだろう。

 「(ホテルで)酔って従業員に絡む人も」「寝間着でスリッパでロビーをウロウロする人は少なくなったが、じゅうたんにツバを吐いたりたばこを捨てて焦がしたり」「ヒドイのはロビーのイスで足を開いて高イビキ」・・・


 中国人は、礼儀正しさを伝統とする日本人とは違うなぁ・・と、あえてそう思い込んでしまう書き方をしたが、実はすべて日本人がやらかしたこと。東京五輪の年、1964年3月19日付毎日新聞の東京都内版が報じた日本人のマナーの悪さを嘆くホテル側の声の一部である。前年7月1日付では「汚れ放題 東京の顔 銀座の歩道はゴミの山」との見出しで、通行人のごみのポイ捨てや住民が路上にぶちまけた「台所の残り物」が散乱する様子を伝えている。】


 さらには整列乗車が当たり前になったのは戦後であり、道徳や公民の教科書に取り入れている「江戸しぐさ」なるものは、実は高校教員や雑誌編集長を務めた芝三光(しばみつあきら)さんという方が1980年代に創作されたものであると。



 【 「昔は良かった」という考えがクセもの。この考えに従うと『今ある良いものは昔からあったはずだし、昔はさらに良かったはずだ』との考えに陥りやすい。だから『日本人の道徳・マナーは昔から優れていた』と考えてしまう。『戦後日本から道徳やモラル、公の心が失われた』と言う人は戦前を評価する傾向にあるが、これも同じ。ほんとうにそう言えるのでしょうか。 】



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 花は昔から美しかったけれど・・今はさらに改良されて美しくなっています・・・大輪の草色の菊なんて珍しい物もありますね・・




 今私たちが公共の場でできている道徳やマナーを守る日本人はすごいのだと礼賛し、それに比べあの人たちはと見下すとき、「日本人としての誇り」が実は一番傷ついているのかもしれません。民族としての誇りは、日本人だけに許されるわけではありませんから。

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